みんなが塩について知ってそうなこと
ところで身近な塩と水ですが、意外と知らないことも多いでしょう。他にはどんな判別方法があるのかを含め、食塩水と塩について簡単にまとめてみました。
塩で作れるアイスクリーム
例えば気温が25度のとき、食塩は水100グラムあたり最大35.9グラム溶けるため、飽和するころには質量が元の3割増くらいまで増えます。
食塩は溶かす水の温度によらず、ほぼ同じ溶解度になります。さらに食塩はナトリウムイオンと塩素イオンからなるため、食塩水は電気をよく通すという性質を持っています。
さらに塩水は0度になっても凍らず、より低い温度で凍ります。よってこの現象を利用して冷却装置を作り、クリームを冷やしアイスを作る実験もあります。
氷と塩を細かく混ぜると、接触点では凝固点が下がるため、温度はそのままに氷が溶け、「0度より冷たい塩水」ができます。
氷が溶ける際に融解熱を周囲から熱を奪うため、アイスを作るほどの冷却が可能になるのです。
塩に支えられてる健康
ヒトの血液などの体液は、おおよそ塩分濃度が0.9%とされています。
生理食塩水は体液の塩分濃度と同じくらいの濃度の食塩水で、注射薬用の液体になっていたり、応急処置用の血液の替わりとなる液体として使われていたりします。
生物の細胞膜には溶質(溶けているもの、今回なら食塩)は通さないままに、溶媒(今回なら水)を通す性質があります。細胞膜で隔てられた濃度差のある2つの同じ種類の溶液には、濃度の差に応じた浸透圧の差が生まれ力が加わり、両方の液体の濃度が等しくなるように溶媒が膜を超えた移動をします。
浸透圧の力を体験する方法として、ナメクジに塩を与える方法があります。ナメクジの身体は90%が水分でできており、塩をかけると水分が放出され身体がしぼむことは有名ですね。これはナメクジの体液より格段に濃い塩に触れさせることで、塩と同じ濃度になるまで水分を放出させるため、小さくしぼんでしまうのです。
細胞は浸透圧によって、薄い液体の中ではその分中身を薄めようと、水分を多量に吸収し膨れます。逆に濃い液体の中では外と同じ濃い濃度になろうと水分を放出し縮む性質があります。
世界と塩
地球の水分の約97%を占める海水には、塩分が含まれています。そして海水に含まれる塩は、約3%。
地球は今の姿になるまでに、地球より小さな星どうしが何回もぶつかり、互いにくっついて大きくなってきました。塩の成分は、ぶつかった小さな星が持ってきたものと考えられています。
海の水が蒸発して雲になり、雨などで地上に降ったものが海へ向かって流れるものが川です。雨や川の水がしょっぱくないのは、塩が蒸発しないから。また、普段蛇口から出る水は、川の水を浄水しているのでもちろんしょっぱくありません。