犯人は「抗生物質」だった⁈
しかし今回の事件で奇妙なのは、女性が過去の性行為においては精漿アレルギーを起こしたことがないということです。今回だけ偶然にも精漿アレルギーにかかったということは考えられない。
実は女性がアレルギーを起こした原因は、精漿と別のところにあった。
パートナーである32歳の男性は、持病の中耳炎治療のために、イブプロフェンとアモキシシリンという抗生物質を日頃から服用していた。事後報告によると、性行為の4時間前にも服用したとのこと。
そして、女性はこのアモキシシリンという抗生物質に対してアレルギーを持っていたことが判明。つまり、男性が服用したアモキシシリンが精液に混入して、それが女性の体内に入り込み、アレルギーに至ったというわけだ。なんと複雑怪奇なルートだろうか…。

医師の話では、確かに成人に見られるアナフィラキシーの大半は抗生物質によるものだが、今回のように多難な経路をたどってアレルギーに至った事例は世界でも初めて。
現在、女性は幸いにも完全に回復しているとのことだが、医師はこの女性に関わらず「アレルギーを懸念する場合は、コンドームなどの避妊具を使用するべきだ」と指摘している。
パートナーとの愛を実感するための性行為は男女ともに至福の時間だが、性感染症といった危険性はつきもの。やはり性格以上に、生物学的な相性という壁もあるのかもしれない。