■同じ味に飽きて生じる満腹感を、「感覚特異的満腹感」と呼ぶ
■メインの食事で起こる「感覚特異的満腹感」では「甘いもの」に対する「飽き」がないので、再び食欲がわく
■「満腹中枢」は血中の糖分が上がることで刺激されるので「甘いもの」を食べた後に「別腹」は開かれにくい
お腹いっぱいでも、スイーツなら不思議と食べられるのはなぜ?
オーストラリア・ディーキン大学のフードサイエンス専門家ラッセル・キースト氏は、「風味の変化」が鍵となって「別腹」が開かれると説明しています。
「満腹」は味に飽きたら起こる
そもそも「お腹いっぱい」とはどういう状態なのでしょうか。
キースト氏は「人間の脳には、同じ味のものばかりを食べ続けると飽きてしまう習性がある」と言っています。そうなると脳は「もう食べ物はいらない」と満腹サインを出すのです。
これを「感覚特異的満腹感(sensory-specific satiety)」と呼びます。ズバリ、味覚上の飽きで起こる「満腹感」のことです。なんだか「お腹いっぱい」という反応は、脳が同じ味に飽きてスネちゃった感じに似ていますね。
ところが満腹状態のときに、まったく味や香りの違う「甘いもの」が目の前にあらわれると、そっぽを向いてた脳が振り向くのです。「甘み」には、まだ飽きてないので再び食欲がわくというわけなんです。
要するに「甘いものは別腹」とは「風味の変化によって脳の満腹感が食欲に取って代わることだ」とキースト氏は説明しています。