Facebookだっていつかは終わる
サイトが古くなってアクセスできなくなれば、そこにあった情報には永遠に触れられなくなるのかといったら、そうでもない。イギリスでは、そうしたアーカイブの仕事が一部、大英図書館に委ねられている。大英図書館は2004年から許可を得て、ウェブサイトの記録を収集しているのだ。
アーカイブ事業のマネージャーであるジェイソン・ウェバー氏は、「最初にインターネット・アーカイブがスタートしたのは1996年です。それは、最初のウェブページが立ち上げられてから5年後の出来事になります。その時代に生きたウェブページからコピーされたものは何もありません」と語っている。
私たちは、SNSに投稿した自分のポストが、常にデジタル上で生き続けていると考えている。しかし、かつてアメリカで最もポピュラーなウェブサイトであった「MySpace」が、12年間記録してきた音楽と写真のうちいくらかを失ってしまった事件は、大きなサイトに蓄積されたデータであっても決して安全ではないことを私たちに教えてくれている。
それは、あのグーグルが運営するサービスであったとしても同じことだ。Facebookに対抗して立ち上げられたSNSサービス「Google+」は、4月2日にサービスが終了している。
ウェバー氏は、「写真をFacebookに投稿しても、それをアーカイブしたことにはなりません。Facebookだっていつまで続くか分からないのです」と語ります。
もし「Webサービスの短命さ」を疑うというのであれば、「Million Dollar Homepage」を少しの間訪問してみるといいだろう。そのサイトは、オンラインのサービスがいかに速いスピードで廃れていくのかを示す「遺言」のようなものであるといえる。
情報空間に存在している無限にも思える膨大な情報について、私たちは当たり前のように、それが永遠に存在し続けると思ってしまいがちですが、それを「保存する作業」がなければ、いつか失われてしまうのは当然です。とはいえ、ついつい「目に見えないもの」の存在を軽視してしまうのが人間というものなのかもしれません。
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