わずか数ミリのジャンプが飛散を助ける
水滴が飛ぶ高さは数ミリメートルに及ぶ。「たったそれだけ?」と思うかもしれないが、これは、病原菌を含む水滴が、葉の一枚一枚を覆っている静止空気の層から出て、わずかなそよ風によって他の植物へ運んでもらうには十分な高さだ。
撥水性の高い物体表面でこうした現象が起こることは以前から知られていたが、それによって病原菌の運搬が助けられていることが分かったのは今回が初めて。
赤さび病を防ぐ上で、その病原菌がどのようにして飛散するかを知ることは重要だ。たとえば小麦の葉の撥水性を抑える薬剤を散布することで、伝染を防げる可能性があるのだ。
これから朝露にきらめく小麦畑をみたら、思わず「お大事に!」と呟きたくなるかも。