
Point
■「植物に意識があるか、ないか」という議論が専門家の中で大きな問題となっている
■植物には同種を助け、他種を排除するものも存在し、自意識を持っているような振る舞いを見せる
■「意識」の定義の仕方によって、植物が意識を持つか否かの見解は変わってくる
植物に意識はあるのか――
この問題は世界中の植物学者によって研究され、植物に意識や感情があることを証明するような研究結果も多く発表されてきた。
最近、植物の知性を研究する目的で始まった「植物神経生物学」という分野があるのをご存知だろうか。ここでは近頃「生存や繁殖のために植物が意識や感情といった精神機能を持っている証拠は何もない」との主張が増え始めているようだ。
この論争は一体どちらが正しいのだろうか。意識が「ある派」と「ない派」の意見を見てみよう。
「植物に意識はある」派
植物が意識を持っているような振る舞いをすることはよく知られている。
例えば、木は同種の根っこと他種の根っこを識別し、よそ者は排除しようとする動きを見せる。反対に同種の仲間が弱っていたりすると、栄養分を送って助け合ったりするのだ。

他にも近くに競争相手となる植物があると相手より早く成長しようとするし(太陽光をより多く吸収するため)、食虫植物などは獲物を捉えるために罠を仕掛ける。
またある研究では、植物に一定の音楽を聞かせると葉が活性化し、健康的に育つという結果も出ている。こうした研究を鑑みると確かに植物は意思や感情を持っているように感じられるものだ。