Point
■地球と太陽との間を公転する小惑星が新たに発見される
■この小惑星は、太陽系にある惑星の軌道面と垂直に公転していることが判明
■垂直な軌道面のせいで太陽の光に隠れてしまい、発見が遅れた
先日8日、カリフォルニア工科大学の研究チームなどによって、地球と太陽との間を公転する小惑星が新しく見つかった。
小惑星は「2019 LF6」と名付けられ、詳しい調査が進められている。発見したカリフォルニア工科大学の研究チームによれば、LF6が地球に衝突する可能性は今のところないそうだ。
しかしLF6の公転軌道を調べてみると、その他の小惑星について安心できない結果も判明している。
LF6小惑星の奇妙な軌道
カリフォルニア・パロマー天文台の観測で発見されたLF6は、かなり風変わりなルートで公転している。
まずはその軌道を見ていこう。軌道面は楕円形を描き、太陽の周囲をちょうど151日で1周する。
軌道円の一方では水星軌道よりも太陽に近づき、他方では金星軌道よりも太陽から離れる。ただ地球軌道の内側にはしっかり収まっているようだ。ちなみに水星の公転周期は88日、金星は225日である。
下の動画を見ると分かりやすい。
ところが最も奇妙なのはその軌道角度だ。
太陽系内にある惑星の軌道面が全体的に水平に並んでいるのに対して、LF6はその面と垂直になるように公転していることが判明した。
これについて研究チームのトム・プリンス氏は「おそらく小惑星が水星か金星のどちらかに近づきすぎたせいで、重力により軌道を変えられ、太陽系の水平な軌道面から投げ飛ばされたのだろう」と推測している。