人の思考に寄り添った学習
戦績のパフォーマンスが悪いからと言って、「なんだ、ダメダメじゃん」と見限ってしまうのは早計かもしれません。
この研究の目標は、高いレベルの対戦パフォーマンスを出すことではないからです。
「SentiMATE」の優れた点は、機械ならではの計算力で恐ろしい回数の対戦を繰り返すことなく、テキスト情報を流し込むだけでスキル獲得できるという点です。
これは、少ないデータ量、低い計算能力でも実用に耐えるAIを作り出せることを意味しています。設計で必要とされるプロセッサーの数も大きく抑えることが可能です。
こうした方法では、機械は人間は見逃しているパターンを見出す可能性もあります。金融活動の予測などは、非常に実用的で期待される成果でしょう。
いずれこうしたシステムは、youtubeにアップロードされるゲーム実況などから、よりプレイヤーのリアクションが良い要素、熱中する要素を抽出して、より面白いコンテンツを生み出すためのパターンを見つけ出してくれるかもしれません。
この機械学習モデルが発達していけば、今、多くの人がネットに上げている動画、ブログ、掲示板の書き込みや、ツイッターのつぶやきは、すべて機械学習の種になるのでしょう。