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一瞬で消滅?NASAの宇宙望遠鏡が「正体不明のX線源」をとらえた! (2/2)

2019.09.07 Saturday

前ページピカッと光ったX線

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X線フラッシュの正体

この観測では、強いX線源ULX-4から可視光は確認できなかったといいます。超新星爆発は、昔の天文学者が生まれたての新星より明るく輝くことから、名付けた呼び名です。

そのため、このX線フラッシュが超新星爆発であった可能性は否定されます

だとすると、何が原因でしょうか?

1つの仮説は、これがブラックホールに惑星が飲み込まれたために起きた現象ではないかと考えています。惑星がブラックホールに飲み込まれた場合、潰された星の残骸は、ブラックホールの周回軌道に入り降着円盤となって回転します。それは内側ほど速い回転となり、激しい摩擦により何百万℃にも加熱されて強いX線を放つのです。

Credit:NASA/JPL-Caltech

大きな天体が飲み込まれた場合、この現象は長期間続くX線放射となります。そのため今回の短時間のX線フラッシュは、小さい星が急速にブラックホールで破壊された現象であった可能性が考えられるのです。

また別の仮設としては、中性子星が原因の可能性を考えています。

中性子星はブラックホールを形成するほど十分な質量を持たなかった星が、超新星爆発を起こした際に形成される天体です。これは非常に高密度の天体で、ブラックホール同様、物質を引き込み高速回転する円盤を生み出します。

Credit:JAXA

これはブラックホール同様の強いX線源になるものですが、中性子星は強い磁気を帯びた天体のため、非常に高速回転した場合、磁場の障壁を生み出してX線の放射を抑え込みます。これは、突然出現し、その後消滅したULX-4のX線フラッシュを十分に説明可能な現象です。

もし再び、ULX-4が輝き出すという挙動を見せた場合、この仮設が強く支持される状況となります。

どちらにせよ、今回の発見は、ブラックホールや中性子星がその強力な重力で他天体を飲み込んだ際の、より極端なケースを理解するために役立つ可能性があります。

現状では、珍しいX線フラッシュの原因は定かではありませんが、ダイナミックな宇宙の挙動では、何が起きても不思議なことではないようです。

天の川銀河をはさみ込む巨大なガス球体「フェルミバブル」の謎

reference:NASA,nustar/ written by KAIN

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