アルゴリズムの研究
そこまで調査の桁数を拡張して、やっとその答えは発見されました。答えが42となる立方数の組み合わせは次の通りです。
42 = (-8京538兆7388億1207万5974)3+(8京435兆7581億4581万7515)3+(1京2602兆1232億9733万5631)3
これは見つかるわけがないという、飛んでもない数の答えです。
今回のこの計算には世界中の未使用のコンピューターを並列処理するチャリティエンジンが利用されました。50万台以上の家庭用PCを使って合計で100万時間(114年)以上を掛けて計算されたといいます。まさに惑星スーパーコンピューターです。
コンピューターの並列処理というのは、大量の計算を複数のコンピューターに分けて同時に計算することを言います。
人の作業に例えるなら、例えば千羽鶴を1人で1羽1分掛けて折った場合、1000工程1000分という時間を要しますが、1000人で分担した場合、1人辺りの作業は1工程1分で済みます。
処理能力が低い家庭用PCだとしても、適切に作業を分散させれば膨大な計算が短時間で行えるのです。
これだけの計算を行う場合、重要となるのが適切なアルゴリズムの設計です。Booker氏の最大の貢献はこのアルゴリズムの設計にあるのです。
Booker氏は答えが導けたことに非常に安心したと答えています。なぜなら、この計算は1ヶ月続けても、1世紀続けても解が導けなかった可能性もあったからです。
解が存在するかわからない問題に挑戦することが、プロの数学者のもっとも困難ところなのです。
今回、この問題の1から100までの自然数は解決されました。しかし、これが1から1000までの範囲に拡張した場合、未解決の数は「114、165、390、579、627、633、732、906、921、975」の10も残っているといいます。
今後は、これらの解決を目指していくことになるのだそうです。数学の世界は、ほんとうに果てしないですね…。
42という小さな数を作るためにこんなに膨大な数が出てくるなんて、、不可説不可説転とかどうなっちゃうんだろ、、