報酬を隠したら?
実験はもう一つケースを不透明にして何が入っているか見えない状態でも行われました。
この場合、カラスより子供のほうが良い報酬を手に入れるという結果が得られたと言います。
何が隠れているか見えない以上、目の前の報酬を見送って待つためには、別のもっといい報酬が隠れている可能性についての推論が必要になります。
こうした決定を下すことはカラスに精神的負荷をもたらしたのかもしれません。
また、この実験には少し問題があったようです。
実はこの実験は、設置するときに子供も同じ部屋にいたので、箱の奥に良い報酬が設置されているのを子どもたちは見てしまっていたようなのです。
カラスは野生のものを使ったので、設置中は部屋の隅に逃げてしまって何をしているか見ていませんでした
そのため、カラスと子供で結果に差が出てしまった可能性があるそうです。
こうした異なる種族間で、認知能力の成績を比較するという実験は、自己制御のメカニズムをより理解するための将来的な研究に役立つだろうと研究者は語っています。