やはりカラスは賢い
2014年にもニューカレドニアのカラスで、実験が行われました。そこでは水の入った管の中に餌を浮かべてありますが、そのままでは届かない容器を使いました。
この実験ではカラスは水の中に物を落として水位を上げ、餌を手に入れるという方法を取りました。これは7歳の児童に相当する知性だと言います。
今回の実験でも、カラスは高い知性を発揮し、良い報酬を得るためには辛抱強く待った方が得だという自己制御の行動を見せました。
人間と動物の大きな違いはより長い未来を思考して行動の決定ができるかどうかにあると言われています。
人間はこの能力が発達しすぎて、あまりに先の未来を思考できるようになったゆえに、死の概念を知ってしまい、そのために宗教や葬式のような文化が誕生しました。自殺してしまう人がいるのもこうした能力の弊害かもしれません。
カラスにそこまで未来を考える力はないでしょうが、彼らもまた未来を思考した上で、より良い結果を得るために計画的に行動する認知能力があるようです。
ところで、マシュマロ・テストには子供の「自制心レベル」を測るという側面もあるそうです。別の研究では、1960年に行われたマシュマロ・テストの再現を2000年代の現代の子供で行ったという研究が報告されています。
それによると、現代っ子は昔の子供より長く我慢できるという事実が明らかになったそうです。
マシュマロ・テストには、ぜひ2時間映画館でスマホをいじらずに我慢できるかというバージョンも試してみてもらいたいですね。カラスには使えないでしょうが。