目からチェレンコフ光?
研究チームは特殊なカメラ・イメージングシステム「CDose」を使って、放射線治療を受けている被験者の目を撮影しました。
CDoseは、動物と人間の両方で放射線治療中の発光を捉えるよう特別に設計されており、通常は検出が難しい眼からの光を特定できます。
チェレンコフ光とは、例えば水中にある核リアクターが放つ青い光などを指します。
光は、水中や眼球のガラス体を通過する時進むスピードが遅くなります。そこで、荷電粒子がこの光の速度を超えて水中やガラス体を通過する時、粒子の周りの電磁場が置き去りにされ、それらの波面が重なり合って衝撃波が起きます。
この衝撃波面から放出される光が、チェレンコフ光(放射)です。
研究員のアーウィン・テンドラー氏は実験結果について、「撮影中のリアルタイムデータによって、発生したチェレンコフ光の量が視覚を誘発するのに十分であることを正確に示された」と説明します。
さらに、スペクトル分析の結果、この光がチェレンコフ光に分類されることも証明されました。
テンドラー氏は「このデータは、将来の放射線治療技術を改善する助けとなる」と指摘します。チェレンコフ放射の検出は今後、治療が意図した目標に到達しているかどうかを知るマーカーとして用いることもできるでしょう。