- 太陽系外に生命が存在できる可能性の高いハビタブル惑星が新たに2つ発見される
- 新しく見つかった系外惑星は全部で5つあり、内一つは、太陽系の海王星に似ている
カーネギー研究所(米)は、8日、「居住可能性の高い系外惑星を新たに2つ発見した」と発表しました。
ともに赤色矮星を主星にしており、水が液体で存在しうるハビタブルゾーンに位置しています。
本研究は、2009年にマックス・プランク研究所(独)が発表したデータを再分析したもので、計5つの系外惑星が新たに見つかりました。
研究の詳細は、1月8日付けで「The Astrophysical Journal」に掲載されています。
https://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-4365/ab5e7c
ハビタブルな惑星を2つ発見
5つの内ハビタブルゾーンに位置する惑星は「GJ 180 d」と「GJ 299A c」の2つです。
GJ 180 dは、地球から39光年先にある赤色矮星GJ 180を、GJ 299A cは、19光年先にある赤色矮星GJ 299Aを主星としています。赤色矮星は、天の川銀河に存在する星の7割を占めており、サイズ・明度ともに太陽より小さいのが特徴的です。
しかし、赤色矮星と適度に離れた場所を公転する惑星にとっては、太陽と同じ役割を果たし、生命が存在する可能性も高くなります。その範囲が「ハビタブルゾーン」です。
GJ 180 dは地球の約7.5倍の質量で、公転周期は106日。GJ 299A cは地球の約7.9倍で、公転周期は122日と、互いによく似ています。質量・サイズともに地球より大きいので、「スーパーアース」に分類されます。
さらに、研究主任のファボ・フェン教授は「2つとも潮汐ロックされていないことが、生命の存在可能性を高めている」と指摘します。潮汐ロックとは、伴星が主星に対し、常に同じ面を向けて公転することで、地球に対する月が代表的です。潮汐ロックは、惑星内に極端に高温な場所と極寒な場所を作り出すため、生命の居住環境には適しません。
一方で、GJ 299A cが主星とする赤色矮星は、星全体がフレアを起こす閃光星であることが分かっているため、生命にとっては過酷な環境となっているとも予想されます。
GJ 180を主星とする後の2つの新惑星(GJ180 bとGJ180 c)については、 今のところ情報がほとんどありません。
最後の一つである「GJ 433 d」は、ハビタブルではないものの、研究者たちに注目されています。地球から29.5光年の場所にある赤色矮星「GJ 433」を主星とし、地球の約5倍の質量がある惑星です。
しかしその特徴は、太陽系の海王星に似ており、「コールド・ネプチューン」と呼ばれています。これまで発見された海王星型惑星の中では、最も太陽系に近く、サイズも大きいことから、海王星型惑星として初めて直接的な観測ができるかもしれません。
ハビタブル惑星の発見は喜ばしいことですが、引っ越しできる移動手段を見つけない限り、憧れの新居のままのようです。