実験用回転デトネーションエンジンの開発
しかし、回転デトネーションエンジンにも問題点があります。それは爆轟の出力を均一に保ちながら、回転を持続させるという安定性が実現できていない点です
音速を超える爆発とその衝撃波の利用では、当然、エンジンを安定させることが難しかったのです。
こうした課題をクリアできない原因の1つは、回転デトネーションエンジンのメカニズムに対する理解不足があります。
そこで今回の研究チームは、エンジンの挙動を理解するための実験用回転デトネーションエンジンを開発しました。
実験用回転デトネーションエンジンはシリンダー間のギャップのサイズ変更など様々なパラメータを制御することが可能です。
爆轟プロセスも記録できるようになっており、実際に爆轟時の運動を240,000フレーム/秒で記録することが可能です。
こうして作られたスローモーションビデオから、研究チームはエンジンの安定性を調査するための数学モデルを開発しました。
ワシントン大学の応用数学教授であるJ・ネイサン・カッツ氏は、この数学モデルを「回転デトネーションエンジンの多様で複雑な動力学を示すことができる現状唯一のモデル」と称しています。
回転デトネーションエンジンが完成するなら、ロケットを効率よく宇宙へと運べるようになるでしょう。
GE Researchは、回転爆轟エンジンを搭載した航空機が短時間の移動を可能にするとも主張しています。
https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/46508