隠れていたX線放射記録
今回の発見は、欧州宇宙機関 (ESA) のX線観測衛星「XMM-Newton」が2008年7月に観測されたデータの中にありました。
実は10年以上前に観測されていたのに、誰もそのデータの存在に気づいていなかったのです。
今回の研究プロジェクトチームは、宇宙で起こる特異な現象を発見するために、「XMM-Newton」が過去13年間に渡り記録した観測データから、極端な変動の記録を調査していました。
その中で見つかったのが、褐色矮星「J0331-27」に起こったスーパーフレアのX線波長での検出記録でした。
記録がX線波長だったという点が重要な理由は、波長によって現象の発生場所が特定できるためです。
多くのスーパーフレアはすべての波長が検出されていて、特に可視波長はフレアが大気圏の深部で発生していることを意味しています。
しかし、フレアのX線放射は、それが星の大気圏上層で起きたことを意味しています。
これは、現在のところ唯一の発見例となるL型褐色矮星のスーパーフレアと、よく知られている質量の高い星ですべての波長から検出されるフレアに、どのような相違点があるかを理解するために重要なのだと言います。