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観測が難しい中間質量ブラックホールの証拠を発見!「お食事タイム」を捉える (2/2)

2020.04.03 Friday

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食事中を狙う

そこで、天文学者たちが考えたのが、食事中を狙って観測するというものでした。

滅多に見つかる状況ではないでしょうが、そこを観測できれば、やつの姿をはっきりととらえられるかもしれません。

今回の研究者たちは、X線観測衛星「XMM-Newton」の数千もの観測データから可能性の有りそうな候補を探し、その中から中間質量ブラックホールと目される「3XMM J215022.4−055108」を発見したのです。

この領域をハッブル宇宙望遠鏡で観測し、場所を特定すると、それは遠方銀河の辺境にある星団の中でした。

銀河辺境に浮かぶ球状星団は数十万から数百万個の星の集まりで、ミニ銀河のような存在です。これを維持するのに最適な中心核は、中間質量ブラックホールと言われています。

それはまさに、中間質量ブラックホールが見つかるだろうと予想された条件に、ぴたりと当てはまる場所です。

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「3XMM J215022.4−055108」のハッブル宇宙望遠鏡による光学撮影映像。緑の四角が該当の領域。/Credit:NASA / ESA / D.Lin et al. 2020

この天体のX線フレアは、約12年間も継続しているものでした。

それは時間とともに減衰していて、このデータの変動は、星がブラックホールに飲み込まれることで起きる単純な潮汐破壊のイベントモデルと非常によく一致していました。

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「3XMM J215022.4−055108」の12年間の光度曲線の減衰。この変化は星の潮汐破壊のモデルと一致する。/Credit:D. Lin et al. 2020

ハッブル宇宙望遠鏡による光学観測とXMM-NewtonによるX線観測のデータを元に、ここに存在するブラックホールの質量を計算したところ、それはおよそ太陽質量の50,000倍という結果が出されました。

これは今回の観測が、中間質量ブラックホールが恒星を飲み込んでいる様子である可能性を強く示唆しています。まさに探し求めていた発見だったのです。

「中間質量ブラックホールが、どのように形成されるのか?」「このような星団に存在する傾向が高いのか?」については、これから明らかになるでしょう。

また、中質量のブラックホールは、超大質量ブラックホールの進化・成長を理解するための鍵にもなります。

明確な存在の証拠を手に入れたことで、このUMA的ブラックホールは、これから多くの疑問に答えを与えてくれると期待されています。

超高速度星は「幻の中間質量ブラックホール」に弾き飛ばされたかもしれない

reference: bbc,aasnova/ written by KAIN

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