現在、世界中でテレワークを余儀なくされる職場が増えていますが、それは宇宙を仕事相手にするNASAも同じです。
NASAは、先月からすべての従業員に、自宅作業に移行するよう指示しています。
しかし、火星探査機・キュリオシティなど、今まさに稼働中の探査機はどうなるのでしょう。
遠く離れた火星上のローバーを操作するには高度な機器が必要で、テレワークではとても対処しきれないように思われます。
ところが、NASAは、14日、「キュリオシティチームが、テレワークでの初ミッションを見事に成功させた」ことを公式サイト上で報告しました。
その裏には、任務遂行の苦難とスタッフの適応力があったようです。
チームがバラバラの危機に
キュリオシティチームは、通常、カリフォルニア州にあるNASA・ジェット推進研究所にて作業していますが、現在は全員がテレワークです。
キュリオシティの動作プログラミングには20名ほどのスタッフが関わっています。また、キュリオシティに送信するコマンド(動きの細かな指示データ)の計画と試験には、さらに数十名のスタッフと連携しなければなりません。
チームを率いるアリシア・オールボー氏は「これまでは、スタッフ全員が同じ室内で作業をし、密接なコミュニケーションを取ります。しかし今は、スタッフが別々の場所にいるため、ビデオ会議やチャットアプリを頻繁に使って作業を進めました」と話します。
気がつくと、画面上に15個のチャットアプリを開いていることもあったそうです。
オールボー氏は「テレワークに移行してから、プランニングにかかる時間が以前より1〜2時間も増えた」と言います。
チームがバラバラになったことは大きなネックとなりました。