一部の機器が使えない状態に
タスクに必要な機器の多くは各スタッフの自宅に設置できましたが、一部の機器は本部に残したままにされました。
例えば、プランニングの際に必要な「高性能ゴーグル」です。
タスクの細かな計画は、火星から送られてきた3D画像をもとに立てられますが、そこで活躍するのが高性能ゴーグル。
これを使うことで、火星表面の地形や輪郭が立体的に観察可能になります。
その情報をもとにして、キュリオシティを向かわせる場所やルート、ターゲットとなる地表にどれだけアームを伸ばすかなど、細かな動きが決定されます。
しかし、ゴーグルの使用には、本部に設置された高度なコンピューター機器が必要であり、これは自宅に持ち込めません。
そこでチームは、高性能ゴーグルの代わりとして、3Dメガネを代用しました。スタッフは「ゴーグルほどの没入感や快適さはないですが、キュリオシティの移動ルートやアームの動きを計画するには十分でした」と話しています。
こうした幾多の障害を乗り越え、ついに先月20日に、テレワークでのキュリオシティの初タスクが実施されました。この際の任務は、火星地表を掘削して、岩石サンプルを採取するというものです。
実際に実行されたのは22日で、チームは「キュリオシティに送信したコマンドが計画通りに機能した」ことを報告しています。
テレワークの解除にはまだ時間がかかりそうですが、チームは今後もこの状態で火星探査を進める予定です。がんばれNASA。がんばれキュリオシティ。
- NASAのキュリオシティチームが、テレワークでの初タスクに成功
- 直接のコミュニケーションが取れないことや一部の機器が使えないなど、困難な状況での成功となった