生命は地球の近くにしか存在しないかもしれない
現在の宇宙論は、宇宙の均一性の元に成り立っています。
宇宙が不均一かつ、謎の方向性がある場合、私たちが求める標準理論にも大きな影響があるでしょう。
ですが、影響は単に理論だけに留まりません。
電磁気力、すなわち原子核と電子がお互いを引きあう力が、宇宙の場所によって異なる場合、宇宙の端と端では水の電離といった基本的な化学反応ですら全く異なる可能性もあるのです。
化学反応の基本が違えば、生命活動にも大きな影響があります。
楽観的な予測は「宇宙の端と端では全く異なる生命が生まれている」というものですが、悲観的には「地球と似た電磁気力の区域以外では、生命は誕生しない」ことになります。
今回の発見は物理学と宇宙生物学に劇的な影響を与えることになりそうです。
しかし、人類の科学史を紐解けば、常識の崩壊は常に新理論の芽になってきました。
今回の常識の破壊によって、人類の科学力は新たな飛躍の時を迎えるのかもしれません。
研究内容はオーストラリア、ニューサウスウェールズ大学のマイケル・R・ウィルチンスカ氏らによってまとめられ、4月24日に学術雑誌「Science Advances」に掲載されました。
https://advances.sciencemag.org/content/6/17/eaay9672
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