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アトラス彗星、ついに崩壊の様子が撮影される (2/2)

2020.05.01 Friday

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彗星分裂の謎

撮影された日付によって断片の数が異なるのはなぜでしょうか?

この理由を明確にするのは、難しいようです。

ハッブル望遠鏡で彗星を撮影した2チームのうち1つのリーダーである、UCLA天文学教授のデビッド・ジュイット氏は、「個々の破片が太陽光を反射して点滅しているからなのか、それとも異なる断片が異なる日に現れるからなのか、私には分かりません」と述べています。

しかし、彗星の崩壊を鮮明に撮影できること自体が、10年に1度の「貴重なイベント」と言えるでしょう。

なぜなら、彗星の断片化は予測不能であり、迅速に起こるからです。

さらに、彗星の断片は通常、暗くて観測できないことが多いので、鮮明な画像は非常に貴重です。

そのため、彗星の断片化の原因については、未だ分かっていません。

推測されている原因の1つは、彗星が太陽系の内部へと進んでいくことで加わる熱が大きくなり、彗星の「接着が剥がれる」というものです。

もしくは、昇華した氷から生じるガス噴射によって、核が自転してバラバラになるのかもしれません。

いずれにしても、ハッブル望遠鏡で瀕死の彗星を観測できるのは稀であり、今後、鮮明な画像データの解析によって、断片化のメカニズムを解明できるかもしれません。

現段階でも、小さな断片の1つが、「家の大きさ」ほどであると識別されており、これは、崩壊前の核が、フットボール競技場2つ分ほどの大きさだったことを示唆しています。

崩壊しているアトラス彗星は、現在火星の軌道内にあり、地球から約1億4500万キロの位置にあります。そして5月23日には、地球に最も接近し、約1億1500万キロに位置する予定です。

画像
アトラス彗星の断片が生き残った場合の予想進路5/Credit:Wikimedia Commons

アトラス彗星を肉眼で観測するという夢は、文字通り打ち砕かれてしまいましたが、新しい希望は生まれています。

4月11日にはスワン彗星(C/2020 F8)が発見されており、5月中旬には肉眼で見えるかもしれないのです。新たな彗星に期待したいですね。

1万7千年以上前に「天文学」が存在? 「ラスコー壁画は十二星座を示している」

reference: iflscience , scitechdaily / written by ナゾロジー編集部

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