レムデシビルはウイルスRNAに組み込まれ、複製工場を混乱させる
研究チームは、46日間の研究の結果、レムデシビルがレプリカーゼに及ぼす構造を解明することに成功しました。
レプリカーゼは、配列に依存しない結合方法によってDNAを認識せず、RNAを認識して複製することのこと。つまり、レプリカーゼは検査付きの複製工場のようなものです。
通常、複製工場(レプリカーゼ)は、届いたRNAを認識してから複製を始めますが、この工場の働きを止めるのがレムデシビルです。レムデシビルはウイルスRNAに組み込まれることで複製工場にまで達し、混乱させ、複製を妨げるのです。
ただしレムデシビルは、肝酵素値の上昇などの副作用も報告されています。今回の研究結果をもとに、今後、より強力で効率的な新型コロナウイルス薬づくりも同時に進められるでしょう。
研究の詳細は5月1日、「Science」誌に掲載されました。
Structural basis for inhibition of the RNA-dependent RNA polymerase from SARS-CoV-2 by remdesivir
https://science.sciencemag.org/content/early/2020/04/30/science.abc1560
https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/57474