日本に渡ってきた恐竜
北海道むかわ町で2013年に発見された新種恐竜カムイサウルスは、エドモントサウルスの仲間であることがわかっています。
しかし、北米に住むエドモントサウルスが、どのように日本にやってきたのかという部分は明らかにはなっていませんでした。
今回、アラスカでエドモントサウルスと同定された化石は、比較すると歯の構造などにカムイサウルスとの類似点が挙げられます。
アラスカ州のエドモントサウルスと北海道のカムイサウルスは、ほぼ同時代に生息していたことがわかっており、これは、北極圏の環境に適応したエドモントサウルスが、当時陸地でつながっていたベーリング陸橋を渡って日本までやってきていたことを示しています。
古い時代、北米大陸とアジア大陸はベーリング陸橋によって地続きでつながっていました。アフリカ大陸で誕生した人類は、氷河期にこの陸地を渡ってアメリカ大陸まで生息域を広げていったと考えられています。
ベーリング陸橋を人類とは逆にたどって、エドモントサウルスが日本までやってきていたというのは感慨深いものがある、と今回の研究者の一人、小林快次氏は語っています。
確かに胸アツですね。
今回の研究は、米国ペロー自然科学博物館と北海道大学の小林快次教授、岡山理科大学の高崎竜司氏の共同研究により発表され、論文は多分野の一次研究論文を扱うオープンアクセスの査読付き学術雑誌『PLOS ONE』に5月6日付けで掲載されています。
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0232410
https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/58577