ディープ・クリアは生物の違いと原因を追究する
この研究に携わったMax Perutz Labsの研究者カリム・バディワラ氏は、「ディープ・クリアの汎用性は、従来の透明化技術では十分に研究できなかった分野に対して非常に魅力的です」と説明。
この技術を利用するなら、これまで分析が困難だった対象にもアプローチできます。
例えば、中枢神経系の一部を再生することで知られるミミズやサンショウウオなどがそうです。
彼らのもつ再生能力は人間にはないものであり、その違いをディープ・クリアによる研究で明らかにできるかもしれません。これは、外傷事故による麻痺を持つ人々を助けることに繋がるでしょう。
この点は研究者のレイブル氏によっても表明されており、「幹細胞の視覚化、分子構造・再生組織の調査は、ディープ・クリアによって大いに促進されるでしょう」とのこと。
最新の透明化技術は、これまでに知られていなかった生物の違いの原因を明らかにし、私たちを助けるものとなるのです。
この研究は5月29日、「Science Advances」に掲載されました。
A versatile depigmentation, clearing, and labeling method for exploring nervous system diversity
https://advances.sciencemag.org/content/6/22/eaba0365