判明した驚異の殺虫効果
研究チームは、イメルガードWPの効果を調べるため、西アフリカ・ベナン共和国でテストを敢行。実験には、サハラ以南で最もマラリアを媒介する「ガンビエハマダラカ」が用いられています。
実験は、4グループに分けて行われました。
第1グループはまったく殺虫剤を使用しないコントロール群で、第2グループは一般的なピレスロイド剤を壁に散布します。
第3グループでイメルガードWPを、第4グループでイメルガードWPとピレスロイド剤を混ぜたものを散布しました。

結果、最も蚊の死亡率が高かったのは、イメルガードWPを使用した第3・4グループでした。ピレスロイドの有無は関係なく、イメルガードWPが使われていれば、死亡率は高くなっていました。
具体的には、実験開始5ヶ月での死亡率が80パーセント、半年で78%に達しています。一方で、ピレスロイドを使用した第2グループでは、5ヶ月までの死亡率が40〜45%で半年になると25%まで下がっていました。
このことからイメルガードWPは、人の健康や環境に配慮しつつ、マラリア媒介者の蚊を激減させる方法として大いに期待されています。
研究の詳細は、5月23日付けで「Insects」に掲載されました。
https://www.mdpi.com/2075-4450/11/5/322
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