- 93歳の肝臓が移植された19歳は健康に生き続け、肝臓は100歳を迎えた
- 臓器はその種類によって寿命や受ける影響が異なる
- 肝臓やすい臓には短命細胞と長寿細胞が混在していると判明。老化メカニズム解明の鍵となる
一部の臓器機能が失われてしまうなら、人は生きていけません。これはつまり、人の寿命が臓器の寿命に大きく影響されていることを示しています。
体全体が若くとも、病気によってある臓器が失われることがあります。これを解決するのは臓器移植です。上記の関係性を意識するため、比較的若い臓器が移植されることを望む人は多いでしょう。
しかし、ある19歳のトルコ人女性は93歳の臓器を移植されました。しかも彼女はその後健康に生き続けたのです。
この結果は「臓器の寿命」について様々な考察をもたらしました。
移植された肝臓は100歳を超える
肝疾患のある19歳のトルコ人女性は緊急な移植を必要としていました。肝臓不全が脳にダメージを与え始め、やがて彼女の肝臓は完全に機能停止したのです。
医師たちは彼女を救うために移植可能な臓器を探しました。その時唯一見つかったのが、他の病院によって既に拒否されていた肝臓でした。
その肝臓は寄生虫感染によって引き起こされた嚢胞(のうほう:分泌物が袋状に溜まったもの)があっただけでなく、最近亡くなった93歳の女性のものだったのです。
他の選択肢がないため、2008年、トルコのイノー大学肝移植研究所で93歳の肝臓は19歳に移植され、手術は無事成功しました。
その後、トルコ人女性は生き残り、6年後に健康な赤ちゃんを出産。娘の誕生日にこの女性は26歳になり、肝臓も100歳の誕生日を迎えたのです。