臓器はライフスタイルや他の臓器の影響を受ける
さて、上記のように「臓器の寿命を延ばす=人の寿命を延ばす」研究は続けられており、新たな事実がいくつも見つかっています。
それらの中には、臓器に与える影響の解明も含まれるでしょう。
特定の臓器は他の臓器よりもライフスタイルの影響を受けやすいと判明しています。
例えば肺は特に影響を受けやすいとされています。
キングス・カレッジ・ロンドンの老化研究の所長であるリチャード・シオウ氏も「都市部や高汚染環境下で生活する肺は老化が進んでしまう」と述べています。
また彼によると、食べ物、食べ方、睡眠方法なども臓器の寿命に影響を与えてしまうようです。
さらに、臓器は他の臓器の影響も受けると考えられています。
英国リバプール大学の研究によると、「ある器官の血管系の加齢による変化は、別の器官の機能不全に寄与する」とのこと。
器官の相互関係については、シオウ氏も「関節に炎症がある場合、その炎症は脳と心臓にも影響を与えます」と述べています。
ですから臓器の寿命を延ばしたいなら、それぞれの臓器の違いを認めつつも、関連するすべての臓器をケアする必要があるでしょう。
移植され100歳になった肝臓は、臓器寿命の解明に進展をもたらすものとなりました。今後、個々の臓器寿命が更に延びる可能性はあり、人間の長寿化、さらには若返りへと繋がっていくかもしれません。
最新の科学技術やおもしろ実験、不思議な生き物を通して、みなさんにワクワクする気持ちを感じてもらいたいと思っています。
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