生物の体を部品にする
今回の研究により、自然に存在する生物の体は、新素材の宝庫である可能性が示唆されました。
様々な生物がつくる多様な構造を、遺伝学的な手法で改良することにより、これまでの非生物学的な素材では実現不可能であった特性を材料に取り込むことができるかもしれないのです。
またこれら改良素材は、生物の体を建材や部品として利用するために、廃棄する場合も環境に悪影響が少ないでしょう。
今回の研究で作られたイカの環歯を元にした新素材も、構成材料が全てタンパク質であるために、酢につけるだけで簡単に分解できるとのこと。
将来的には、全身を自己修復素材で作ることにより、どんな損傷からも即座に回復する無敵ロボットも作成可能になると考えられます。
研究内容は米国陸軍戦闘能力開発司令部の一部門であるアメリカ陸軍将来コマンドの支援の元、マックスプランク研究所のAbdon Pena-Francesch氏らによってまとめられ、7月27日に学術雑誌「Nature Materials」に掲載されました。
https://www.nature.com/articles/s41563-020-0736-2
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