ワニは涙の結晶パターンも特別だった
研究チームは、これとは別に、涙が乾燥したときにできる結晶構造を調べてみました。結晶化パターンを知ることで、涙のタイプ間のより細かなバリエーションを明らかにできます。
その結果、化学組成とは対象的に、結晶にはかなり幅広いパターンが見られました。
こちらがそれぞれの結晶画像であり、Aインコ、Bオウム、Cフクロウ、Dタカ、Eカメ、Fウミガメ、Gカイマンとなっています。
研究チームによると、FウミガメとGカイマンでは、結晶に見られる枝葉構造が他と大きく違っており、水中環境に適応したことが関係していると思われます。
しかし、これがどのような機能を果たしているかは分かりません。
本研究は、飼育下の動物に限定されているため、今後は野生動物からも涙を採取することで、環境要因による変化を調べていく予定です。
研究主任のアリアナ・P・オリア氏は「涙の研究は、異種間にまたがる眼球の進化について理解を深めるとともに、ヒトや動物のための新たな眼治療法を生み出すことにも繋がる」と話しています。
研究の詳細は、8月13日付けで「Frontiers in Veterinary Science」に掲載されました。
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fvets.2020.00574/full