「なりきり」は子供にどんな影響を与えるのか?

さて、ホワイト氏は3人称視点の効果に加えて、「なりきり」の効果性も検証することにしました。
実験では、6歳児からなる3つのグループをつくりました。このグループにはそれぞれ、コンピューターでの集中力テストを行ってもらいます。
このテストは「一連の画像が次々に映し出されていき、チーズの画像が写ったときにボタンを押す」という退屈なものです。
さらに、子供たちの近くに楽しいゲームがインストールされたiPadを置いたままにすることで、「子供たちがゲームで遊ぶ」よう誘惑しました。
子供たちの自制心と集中力が試されるわけです。
加えて子供たちのグループには退屈に感じた時、それぞれ次のように考えるよう指示しました。
1つ目のグループは、「私は一生懸命働いていますか?」というもの。1人称視点ですね。
2つ目のグループは、「ハンナは一生懸命働いていますか?」という3人称視点を持つよう指示しています。
3つ目のグループには、自分の好きな架空のヒーローになりきってもらいました。なりきるための小道具さえも与えられたのです。そして、「バットマンは一生懸命働いていますか?」と考えるように指示しました。