ダムがなければ海面上昇率は年間12%も高かった⁈
1900〜2018年の海面上昇率を調べたところ、年間平均1.56mmと判明しました。一方で、気候変動による氷河の融解や熱膨張率を考えると、計算では海面はもっと高くなっているそうです。
そこで関連性が見られたのが「ダムの建設」でした。
現在、世界には約5万8000の大型ダムがあり、その多くはここ60年間に建てられたものです。特に、1950〜70年代にかけ、各地で大型ダムの建設ブームが起こり、アフリカ南部・ジンバブエの「カリバ・ダム」、ロシアの「ブラーツク・ダム」、エジプトの「アスワン・ハイ・ダム」などが建てられました。
そして調査の結果、70年代には海に流れ込む水量が大幅に減り、海面の上昇がほぼ起きていなかったのです。
研究主任のトーマス・フレデリクス博士は「過去100年間に、もしダムや貯水施設が建設されていなければ、海面上昇率は年間12%も高くなっていた」と指摘します。