氷に包まれた月の熱い地下
エンケラドゥスの南極地域の地下には、以前記事にもしたようにタイガーストライプと呼ばれる巨大な4つの平行な裂け目があるとわかっています。
ここから100を超える間欠泉が、探査機カッシーニの調査から発見されていて、そこから塩水が噴出しエンケラドゥスの表面に新しい氷を生み出し、さらに水蒸気を宇宙に飛ばしていました。
このような氷の月エンケラドゥスの内部に地熱活動が存在する理由は、土星と月の潮汐力によるものだと考えられています。重力の力がエンケラドゥスを引っ張って伸ばし、内部を加熱させているのです。
このため、エンケラドゥスの南極地下は加熱された状態で、さらに液体の水を溜め込んだ海まで存在していると考えられていました。
しかし、それは南極地域だけに限らなかったようです。
カッシーニが13年間に渡って調査したデータを解析した結果、エンケラドゥスには地球規模の内部活動が行われている可能性が示唆されたのです。