ワーキングメモリのトレーニングとテスト
カタルーニャ・オベルタ大学の研究チームは、18歳から40歳までの被験者27人(女性14人、男性は13人)を集め認知能力を調査しました。
この被験者グループの中には、ゲーム経験のある人と、まったくない人が含まれており、中には思春期前まで熱心なゲーマーだったけれど今はまったくゲームをやっていないという人もいました。
調査されたのはワーキングメモリ(作業記憶)という、一時的な作業や動作を記憶・処理する能力です。
「一度に2つのことが処理できない」とか「頼まれたことを忘れやすい」という人はワーキングメモリの働きが弱い可能性があることが指摘されていて、逆に要領のいい人はこの機能が高いと考えられています。
最近の研究では、このワーキングメモリを向上させるトレーニング方法に注目が集まっており、ゲームを使った認知トレーニングもワーキングメモリの強化を主な目的としています。
調査は1カ月間行われ、その間に被験者は、トレーニング指定ない状態、トレーニングを行った状態、トレーニングから15日後の状態、という3つのポイントでテストされました。
調査で使用されたのは、1996年に任天堂から発売された3Dプラットフォームのアクションゲーム『スーパーマリオ64』です。
テストにマリオを使うというのは、なんとも面白い研究ですが、これはマリオ64が3Dプラットフォームでの探索やパズル解決を目的としたゲームであり、計画能力や、目標指向の行動が必要とされるためだからとのこと。
また実験の結果に影響を与えないため、マリオ64やその続編にあたる作品をプレイしている人は被験者から除外したとチームは説明しています。
トレーニングには同じゲームの代替バージョンを用意して、15分間のプレイさせました。
テストに使用された課題は、障害物に直面したときの行動や隠されたオブジェクトを見つける、目標地点へ到達するなどで、全体的なパフォーマンスの判断は、期間中全体で達成された目標の総数を試行回数で割ることで計算されました。