マウスの生体実験に成功!ヒトにも応用できる?
マウスを用いた生体実験では、マイクロロボットを生理食塩水に載せて腸内に注入しました。
ロボットが目的地に到達したら、ポリマーコーティングで搭載した薬を患部に向けてリリースします。コーティングのおかげで、目的地に到達する前に薬が熱で溶け出すことはありません。
ちなみに、この治療法にはピンポイントで薬を届けることで健康な細胞にダメージを与えないメリットがあります。経口薬だと、余分な場所に悪影響を与えて、副作用が現れてしまうのです。
そして生体実験の結果、ロボットは生きたマウスの腸内で正確に機能することが確認されました。
こちらが、超音波装置を使ってリアルタイムで確認された様子です。
また、ポリマーと金属で安価に作られたマイクロロボットは、毒性がなく、生体適合性があることが確認されています。
一方で、研究チームによると、マウスより大型の動物やヒトで実用するには、より多くのマイクロロボットを同時に投入する必要があるとのことです。
カッペレリ氏は「現時点では、薬の運搬用としての実用を考えていますが、将来的には、細胞を採取するなど検査用として扱うことも視野に入れている」と話します。
『ミクロの決死圏』のような医療の実現は、もう目の前かもしれません。