免疫システム内の時計
新しい研究では、免疫システムの中には時計やカレンダーのような機能があり、特定の時間帯や季節に感染や怪我をしやすくなる可能性があると示唆されています。
これは、これまで確認されていない事実です。
今回の研究を主導したアイルランド王立外科医学院のキャシー・ワイズ博士によると「人々が冬に特定の病気にかかりやすいことは何世紀にも渡って明らかな事実ですが、それが私たちの体内の機能とどのように関連しているかは理解されていません」と述べています。
研究では、UKバイオバンクで集められた32万9261人分の血液サンプルのデータが利用されました。
UKバイオバンクは、10年以上に渡って英国人50万人の健康状態を追跡している研究で、今回のサンプルもいつ収集されたかという細かな情報も付随していました。
この大規模なデータから、研究チームは血液中の白血球数と炎症マーカーに、明らかな変動があることを発見しました。
そしてそれは、免疫機能が時間帯や季節によって、強まったり弱まったりしている可能性を示していたのです。
このことからワイズ博士は「免疫系の内部に、時計やカレンダーが存在する可能性が強く支持される」と述べています。