小柄で美しい新種ゴキブリ
新種が見つかったのは、鹿児島〜沖縄に広がる南西諸島です。
日本原産のルリゴキブリ属は、石垣島、西表島に生息する「ルリゴキブリ(学名:Eucorydia yasumatsui、ユーコリディア・ヤスマツイ)」のみが知られています。
今回記録された新種のひとつ、「アカボシルリゴキブリ(学名:Eucorydia tokaraensis、ユーコリディア・トカラエンシス)」は、宇治群島、トカラ列島の悪石島、奄美大島、徳之島に分布していました。
翅にオレンジ色の紋を3つ持つのが特徴で、サイズは全長12.0~13.0mm(オス)と小柄です。
一方の「ウスオビルリゴキブリ(学名:Eucorydia donanensis、ユーコリディア・ドナンエンシス)」は、八重山列島の与那国島にのみ生息し、青みがかった紫色のボディに薄ぼんやりしたオレンジの紋が特徴的です。
サイズは全長12.5~14.5mm(オス)とこちらも小柄です。
いずれも稀種であり、オスメスを同時に採集することが非常に困難でした。
しかし、同チームの柳澤静磨氏(竜洋昆虫自然観察公園)による粘り強いフィールドワークと飼育の結果、幼虫〜成虫までを詳しく観察することに成功しています。