完璧な障壁だけが完璧な音を伝達できる
今回の研究により、音の壁抜け現象が明らかになりました。
現在の音響技術ではどんなに高精度なものでも、音のエネルギーは伝達によって損なわれてしまいます。
ですが今回の研究成果を応用すれば、強固な音の壁を作ることで、逆に音を100%の効率で反対側に伝達することが可能になります。
これは音響通信の効率を劇的に向上させ、全く新しい概念の音響機械の開発につながります。
研究チームが現在目をつけているのは、医療に用いられる超音波診断です。
障壁となる生体組織を通過する超音波の精度を上げることができれば、臓器などの状態をより精彩に観察することが可能になるからです。
また音(フォノン)の制御から得られた技術を光や電子の制御に還元することができれば、画期的な電子機器や光学機器の開発につながると考えられます。
もしかしたら未来の世界で最高性能のイヤフォンやヘッドフォンは、音を絶縁するフォノン結晶で作られてるかもしれませんね。