観測された死にゆく銀河の姿
多くの星々が集まる銀河は、星が誕生する場所でもあります。
初期の宇宙では、活発に星を生成する巨大な銀河が数多く見られました。
イギリス・ダーラム大学の研究者アナガラジア・プグリシ氏の研究チームは、93億光年の距離、つまりは宇宙誕生から約45億年経過した領域で、天の川銀河の数百倍になる巨大銀河「ID2299」を発見しました。
しかし、この銀河は現在は活発に星を生み出していますが、銀河外へガスを放出しており、観測されたペースが続けば数千万年後にはガスが枯渇して、星を作る能力を失うだろうと考えられています。
「遠方の宇宙で、星を活発に作っている銀河が大量のガス流出によってその活動を終えようとしている様子を観測できたのは、これが初めてです」と、プグリシ氏は述べています。
星を作り出す能力の消失は、すなわちその銀河の死を意味します。それは観測史上初めてとなる遠い銀河の死に瀕した姿だったのです。
では、この「ID2299」という銀河は、なぜ大量のガスを銀河外へ放出することになったのでしょうか?