リグニンを変化させ脱色!従来の透明木材の50倍硬い
開発された新しい木材透明化の方法は、リグニンを完全に除去しません。
リグニンの発色組成を変化させることで、リグニン含量を維持しつつ、脱色だけを可能にしたのです。
新しいプロセスでは、木の色の生成に関与するリグニン分子だけが除去されました。
そのためには、まず木材の表面に過酸化水素を塗布し、紫外線(または自然光)にさらします。
次に、木材をエタノールに浸して洗浄。その後、木材を滑らかにするために透明なエポキシ樹脂で細孔を埋めています。
この新しい方法で作られた透明木材は、従来の方法で作られた透明木材の50倍の強度があり、光の90%を通過させることができました。ガラスよりも軽くて強いのです。
さらに高い断熱性も備えているため、研究チームは「新しい透明木材は窓と屋根の両方に使用できる」と述べています。
透明木材がもつ耐力性能のおかげで、理論的には「透明な家」を作ることも可能とのこと。
また、従来の製造方法と比べて、エネルギー消費や化学薬品のコストを大幅に削減できました。
製造プロセスが改善され、実用的になった透明木材。今後は建築材料だけでなく、頑丈なディスプレイとして利用されていくかもしれません。商業化に期待できます。