向精神薬の「セント・ジョンズ・ワート(セイヨウオトギリ)」
セント・ジョンズ・ワートは、黄色い花を咲かせる多年草で、もとはヨーロッパに自生していました。
のちにアメリカに伝わり、現在では、アジアやアフリカ、オーストラリアにまで広まっています。
医療的な使用記録はとても古く、古代ギリシャの時代から、消毒や抗炎症剤として使われてきました。
現代医療では、うつ病や不安障害への処置に利用されています。
セント・ジョンズ・ワートには、ヒペリシンとハイパフォリンという化学物質が豊富に含まれており、それらは気分を安定させる効果を持ちます。
ところが、その正確な効果や使用法はよく分かっていません。
患者から「気分が良くなった」という報告はあるものの、その化学的なメカニズムは理解されていないのです。
また、セント・ジョンズ・ワートを抗うつ剤やピル、抗がん剤などと併用すると、それらと相互作用して体外に排出させるように働くので、処方薬の効果が薄まると言われます。