培養肉には足場が必要
人工肉を作るには、動物から筋肉細胞を入手し、実験室で増殖させなければいけません。
「細胞を培養して増殖させる」こと自体は、現代の技術では比較的簡単に行われています。
ところが、ただ細胞を増殖させるだけでは、私たちの目的に沿わないことがほとんどです。
例えば、動物性タンパク質であってもその形状や食感はさまざまです。卵白のようにドロドロしたものもあれば、牛肉のように歯ごたえがあるものもあります。魚の刺身もまた違った食感でしょう。
さらに同じ牛肉でも部位によっては食感や味が異なっています。
私たちが望んでいる「人工肉」とは、歯ごたえのある立体的な肉の塊ではないでしょうか?ドロドロのミンチではなくステーキが食べたいのです。
そこで大切になってくるのが、「スキャフォールド(英訳:Scafold)」と呼ばれる細胞足場です。
スキャフォールドは細胞の接着・増殖を促しつつ、三次元構造を保持するために役立ちます。
建造物が足場にそって伸びていくように、スキャフォールドにそって人工肉が立体的に作られていくのです。