人工光合成で太陽光とCO2からクリーンな燃料「ギ酸」をつくる
光合成は、植物が「太陽光とCO2から酸素をつくる」反応として知られていますが、実はもう少し複雑です。
最初に光エネルギーを使って水から電子を引き抜き、酸素と水素イオンに変換。
その後、引き抜かれた電子は電流として葉緑体の中を巡り、CO2を用いて有機物である糖をつくるのです。
この糖は植物を成長させるための燃料またはエネルギーとなります。
つまり植物の光合成とは、太陽エネルギーとCO2を、「植物が利用できる燃料」に変換する反応でもあります。
同じように、人工光合成とは、太陽エネルギーとCO2を「人間が利用できる燃料」に変換する反応です。
ちなみに人工光合成では、糖ではなく「ギ酸」を生成。
クリーンエネルギーとして注目されているのは水素ですが、気体の水素は貯蔵が難しく、高コストというデメリットがあります。
そこで役立つのが液体のギ酸です。ギ酸からは水素を生成できるため、貯蔵が簡単な液体燃料として幅広く役立つのです。