古代の大気を知る方法
最初に地球で形成された大気は、どのような組成をしていたのでしょうか?
古代の地球の大気を測定する、というのは雲をつかむような話で、これまで人類はその方法を持っていませんでした。
しかし、手がかりがあります。それは非常に古い初期地球のマグマから作られた岩です。
スイスの連邦研究能力センター(NCCR)の上級研究員パオロ・ソッシ(Paolo Sossi)氏は、次のように説明しています。
「45億年前、現在は地球の地殻の下にある溶けた岩(マグマ)は、常に上層の大気とガスを交換し互いに影響しあっていました。ですから、一方を調べることで他方について学ぶことができるのです」
マグマが冷えて岩に変わると、当時の大気の記録がそこに閉じ込められます。
研究チームは、もっとも古い溶岩のサンプルを入手していました。
つまり、これを調べれば地球初期の大気組成を知ることができるのです。
しかし、問題がありました。
それは、どのような大気組成だと、冷えた溶岩にどんな痕跡を残すのか? という知識が研究者たちにはまだなかったのです。