磁気トンネル接合によってWi-Fi電波から発電する
近年、スピントロニクス技術の研究が盛んに行われています
スピントロニクスとは、電子がもつ電気的性質(電荷)と磁気的性質(スピン)の両方を利用する分野であり、従来の電子工学では実現できなかった機能を生み出すことが可能。
そしてスピントロニクス技術の代表例として、「磁気トンネル接合」と呼ばれる構造技術が挙げられます。
磁気トンネル接合素子は、2つの磁性層が絶縁層をサンドイッチした構造をしており、メモリーデバイスとして機能します。
また、別の機能ももたせることができます。
高周波の電気信号や電磁波を送信・受信できるという特徴があるのです。これを利用すれば電力を生み出せます。
しかし、磁気トンネル接合素子単体では実用化レベルの出力を生成できません。
そこで研究チームは、磁気トンネル接合素子をこの用途に特化させるための調整を施しました。
さらに8つの素子を直列に接続することで、微弱な入力から出力が得られるようにしました。