グラノーラのアイデアを盗んだC.W.ポスト
ウィルはめげずにグラノーラの改良に取り組んでいましたが、兄の反対で商品化することはできず歯痒い思いをしていました。
そんな中、バトルクリーク療養所に新しい患者がやってきます。
それが、失敗続きで心身を病んだ実業家CWポストでした。
CWポストはもともとあまり体が強くありませんでしたが、事業の失敗が続き神経衰弱に陥っていました。
そこで健康を取り戻すために療養所へやってきましたが、そこで彼はグラノーラに出逢うのです。
さまざまな発明に手を出していた実業家のCWポストは、ここでウィルと同じことを考えます。
そして、CWポストは退所するとき、ウィルが日々記録していたグラノーラの改良レシピと、グラノーラのサンプルを盗み出してしまうのです。
患者としてやってきたCWポストは、バトルクリーク療養所にとって産業スパイとなってしまったのです。
そしてCWポストは、ウィルがグラノーラの商品化に手をこまねいている間に、盗み出したレシピを使って「グレープナッツ」という世界初の朝食用シリアルを発売してしまうのです。
ここでCWポストは、ウィルのレシピにさまざまな改良を加え、ジョンが頑なに拒否していた砂糖を混ぜて商品化します。
このため「グレープナッツ」という名称は、混ぜた砂糖(ブドウ糖)とナッツのようなザクザク感という意味が込められています。
これはまたたく間にヒット商品となり、CWポストは巨額の利益をあげました。
さらに、この成功を目の当たりにして、類似商品も次々登場したのです。
たちまちバトルクリークには、シリアル製造会社が乱立したのです。
まさにウィルの睨んだ通りの結果でしたが、残念なことにウィル本人は相変わらず商品化を反対する兄のせいで、この事業に手を出せずじまいでした。