ウナギの奇妙なバックの習性と進化の可能性
捕食者の体内から脱出するにあたり、なぜ尻尾が先なのか?
この疑問に対し、研究者たちは一部のウナギの持つ習性に着目しました。
一部のウナギには危機的な状況になると後方に向けて急発進するという「バック」能力が知られているからです。
捕食者に食べられて体内にいるという状態はこれ以上ないほどの危機です。
そのため、ウナギの稚魚たちは後方へ向けての「バック」を繰り返し、結果的に捕食者のエラから後ろ向きに飛び出すという結果になったと考えられます。
しかし、54匹中28匹という成功率の高さは、脅威に対する本能的な反応だけで説明できないかもしれません。
食べられても逃げられるという戦法は、か弱いウナギの稚魚にとって最強の武器になります。
そのため研究者たちは、ウナギはこの特殊な脱出方法を積極的に狙えるように行動様式を進化させた可能性を指摘しています。