フックには進化の秘密が隠されていた
アンモナイトの脚にある「フック」はいったいどんな役割があったのか?
謎を調べるため研究者たちはアンモナイトの化石にCTスキャンを行い、立体的な構造を復元しました。
結果、Rhaeboceras halli(R. halli)と呼ばれる種類のアンモナイトの脚には、上の図のように、長さ1mmから1cm以上の範囲で、1種類の舌歯と8種類のフックが存在していることが判明します。
また分布のパターンを調べると、フックの多くが直線状か緩やかな弧状に配列していることが判りました。
同様のフックは現在に生きるイカや、アンモナイトと同時代に生きていた尖った貝に棲むべレムナイトにも確認されます。
ですが興味深いことに、タコ・ベレムナイト・アンモナイトの3種の「フック」は、同じ足でも、組織的に異なる場所に生えていました。
この結果は、頭足類における「フック」は3種において、独立に獲得された収れん進化(異なる種が同じ形状を獲得する)の結果であることを示します。