飲酒しない人はあえて飲むべきではない
CVD患者の死亡リスクの低下は、アルコール量が週105g(日15g)以下で見られましたが、低下のピークはさらに少量です。
例えば、1日6gのアルコールを摂取する人は、飲まない人に比べて、心筋梗塞、狭心症、脳卒中の再発リスクが50%低下しました。
また1日7gのアルコールを摂取する人は、飲まない人に比べて、あらゆる原因の死亡リスクが21%低下しました。
ディン氏は、「今回の調査結果から、CVD患者が心筋梗塞や脳卒中、狭心症を予防するために断酒する必要はないが、1週間のアルコール摂取量を減らすべきだと考えられる」と述べています。
では逆に、お酒を飲んでこなかったCVD患者は、あえて少量のお酒を飲むべきでしょうか?
ディン氏は、「アルコール摂取は他の病気の発症リスクの上昇と関連しているので、飲酒しないCVD患者に飲酒を勧めるべきではありません」と警告しています。
研究チームによると、「適量のアルコールは脳に作用してリラックスさせ、ストレスレベルを下げます。おそらくこのメカニズムによって心血管疾患の発生率が低下するのでしょう」とのこと。
つまり今回の結果は、CVD患者に飲酒を勧めるものとはなりません。
お酒が大好きな人は無理に我慢するのではなく、少量を楽しむことが精神的にも身体的にもベストだったのですね。