自己愛が強いナルシストは2種類ある
自己愛が強いナルシストは2種類ある / Credit:depositphotos
psychology

ナルシストには2種類のタイプがあり「不安定なナルシスト」もいる

2021.08.10 Tuesday

自分が他の人より優れていると考え、自己愛が強く、自身に溢れている人をナルシストと呼びます。

しかし、全てのナルシシズムの傾向を持つ人が同じような性格でないことがわかってきました。

イギリスのエセックス大学などの研究チームは、2つのナルシストのタイプ、尊大型と脆弱型を調査。

脆弱型は尊大型と同様に、他人の尊敬と称賛を切望していながら、社会的スキルは低く失敗を最小化しようとして、内気で精神的に不安定になっていると報告しています。

案外この分類に当てはまりそうな人は、世の中に多いかもしれません。

この研究の詳細は、科学雑誌『Personality and Social Psychology Bulletin』に6月11日に掲載されています。

There are 2 types of narcissists. Here’s what makes each tick.(livescience) https://www.livescience.com/narcissists-what-makes-them-tick.html
Desperately Seeking Status: How Desires for, and Perceived Attainment of, Status and Inclusion Relate to Grandiose and Vulnerable Narcissism https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/01461672211021189

一般的なナルシストのイメージ

アニメや漫画のキャラ付けとしてよく見かけるナルシストですが、そこまで極端ではないにしても、これは心理学における人格特性の1つで、過度に自己愛の強い人を指します。

正確にはナルシシズムという傾向を持つ人のことを指し、ナルシシズムの語源は、ギリシャ神話に登場する美少年の狩人ナルキッソスです。

カラヴァッジオが描いたナルキッソスの絵画
カラヴァッジオが描いたナルキッソスの絵画 / Credit:Wikipedia

ナルキッソスは、ニンフのエコーを振ったことで自分に恋をする呪いをかけられてしまい、水に映る自分の顔にキスしようとして溺れて死んでしまいます。

ナルシストを最初に精神障害として取り入れたのは、19世紀後半のイギリスの医師ハヴロック・エリスです。

その後、ジークムント・フロイトはナルシシズムを私たち全員が生まれつきある程度持っている性質であり、子どもの発達においては正常なものであると説明しました。

ただ、それは成長するにつれて薄れていき、徐々に他人への愛へ移行するため、大人になってもその性質を保ち続けると障害になる可能性があると主張しました。

現代心理学の理解では、ナルシストは自己陶酔的な人もいれば、そうでない人もいますが、基本的に自己評価が高く、他人への共感性は欠如しているとされます。

ただ、ナルシストはそれだけではなく、いくつかのタイプがあるということがわかってきました。

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