「7%」が凄い数値である理由
近年の研究により、人間がどのような基準で友達を選ぶかが明らかになってきました。
友情の形成において最も重要なのは「自分自身との類似性」であることが判明しています。
この類似性には、性別・民族・成績・趣味・性癖・経済力・あるいは他人の目には一見してわからない隠れた要素など、様々なものが含まれます。
「類は友を呼ぶ」ということわざは、本当だったと言えるでしょう。
また、単純な接触の繰り返しが、好感度を上げるという「単純接触効果(ザイオンス効果)」も有名です。
あまり好きでない人でも、何度も会っているうちに悪くないと思えてくるのは、単純な接触が好感度を上げ、友情の形成を促しているからです。
人間の友情や好感度は複雑なようで、案外単純なのかもしれません。
そこで今回、ドイツのライプツィヒ大学の研究者たちは、新たに「隣の席に座る」ことが友情の形成に役立つかどうかを調べることにしました。
研究者たちは調査に当たってはまず、ハンガリーにある40の学校に通う、8歳から14歳の児童2966人に対して強制的な席替えを行いました。
また、どの生徒をどの席に座らせるかは乱数表を用いてランダムに決定。
そして1学期の間、席順を維持し続けてもらい、最後にクラスで最も親しい友人ベスト5を選んでもらいました。
すると、非常に興味深い結果が現れました。
離れた席に座った生徒が友人ベスト5に入る確率は15.3%に過ぎなかったのに対し、隣の席に座った生徒が選ばれる確率は22.3%にも及んだのです。
つまり、隣の席に座るだけで友達になれる確率が7%も上がっていたのです。
この結果は、たとえ強制的なものであっても、空間的な近さが、友情形成を促す強力な因子であることを示します。
そうなると気になるのが、空間的な近さが、他の友情形成を促す要因と組み合わさるとどうなるかです。